ヒゲおじさんの独り言

仕事は8割を目標とすべし

仕事は8割を目標とすべきである。これはわたしがサラリーマン時代に仕事をする上でずっと長い間、モットーにしてきたことの一つです。
なぜなのでしょうか?理由は3つあります。

(理由その1)100%を目指すと効率が悪い

携帯電話やノートPCの多くはバッテリーを充電するのに大体1時間ぐらいで8割が完了します。あとの2割を充電するために4時間くらいかかるのです。仕事もそれと同じで、仕事上手な人は短期間で大体8割程度をやってしまいます。そこからの2割は言わばディテールの部分なので、時間がかかる割に成果が伸びないという現象が起きてきます。私はこれを「バッテリーの法則」と呼んでいます。100%を目指すと効率が悪くなるということなのです。

(理由その2)思い込みにおちいる

残業

仕事というものは、どんなに一生懸命頑張ってもなかなか完璧にできるものではありません。
完璧にやったつもりでも他人から見れば、どこかに穴は存在するものです。100%を目指してやり切った人は、自分が大変な思いをしてやり遂げた仕事ですから、その成果に対して思い入れが強く、人から批判されると頭にきます。
最悪のケースは「俺の仕事を理解できないあいつが悪い」と考えてしまいます。これは思考停止です。その点、80%の仕事をした人は、もともと完全だとは思っていませんから、人の指摘を素直に受け入れることができます。むしろ良いアドバイスをくれたと感謝の気持ちも出てきます。「批判しやがって」と反感を持たれるのと、「いいアドバイスありがとう」と感謝されるのとでは相手の感情もずいぶん違ってきます。

(理由その3)余力をもって非常事態に対処できる

余力

火事場の馬鹿力という言葉があります。非常事態に際して自分でも思いがけないような力が出ることです。常に80%の力で余力を持ってやっていれば、火急の時には130も150もの力を出すことができます。でも常に100%の力を出していれば、緊急の時も伸び切った状態で火事場の馬鹿力は出ません。特に管理職ほどこれは大切です。危機に際してリーダーの発揮する馬鹿力が、しばしば組織を救うからです。部下から見ると100%の力を出しているようでいて、その実、80%の力しか出さない!これが優れたリーダーだと思います。

以上、なぜ80%を目標とすべきかについてお話をしましたが、世の中には常に100%を求めたがる上司というものがいます。「常に全力投球で行け!」という若き日の森田健作みたいな実に迷惑な上司です。そういう人は、単に精神論を振りかざしているだけでなく、組織全体の危機管理というものを真剣に考えていない、実に無責任な人ということが言えるでしょう。

こういう上司に仕えていると、無意味な突撃を繰り返し、組織は死屍累々ということになります。そしてこういう上司ほど、「必死さが足りない」とか「俺は一生懸命なのに部下がついてこない」とか言って、自分で責任をとろうとしないというのは、私のサラリーマン生活の中でも常々経験してきたことです。

こんな無責任上司に無駄に殺されないよう、自分の身は自分で守るべきです。なあに、そういうくだらない上司はいつか居なくなるものですから、心配することはありませんよ。