ヒゲおじさんの独り言

チャートの考察

各流派の対立

対立

株価チャートや、一目均衡表、サイコロジカルラインによる分析などを総称してテクニカル分析と言います。

世の中には株式投資に関してそれぞれの流派があります。  「インデックス派」、「バリュー投資派」、そしてこの「テクニカル分析派」などです。困ったことにどの流派にも他の流派をこき下ろす一部の原理主義者の人達がいます(笑)

バリュー派は「インデックスでは儲からない。日経平均なんかにこだわっているとろくなことがない。罫線屋は宗教みたいなもんだ。企業価値こそが大切」と言います。インデックス派は「チャートは過去のもの、未来はわからない。バリュー株を探すのは無駄な時間」と、言い切ります。テクニカル派は「株価は多くの人の心理で形成されるもの。この方法が一番科学的だし、効率よく儲けられる」、とまあ、それぞれが自分の主義主張を声高に叫ぶ人達がいるのです(笑)。中でも特にテクニカル派の中には原理主義者の人たちが結構多いなというのが私の今までの実感です。

テクニカル分析は江戸時代から!

ロウソク足

私自身は株式投資に当たってはどちらかと言えば、「バリュー投資派」ですが、資産全体の管理で言えばインデックス投資を重視していますし、相場全体の流れを間違えないようにタイミングを図り、ブラックスワンに舞い降りられないように、一定のテクニカル分析も注目するようにしています。
要は資産運用においては、どんな状況になっても十分対応できるだけの柔軟な発想が大切だということです。賢い投資家であれば、どの流派であっても決して他派を馬鹿にせず、謙虚に耳を傾けることが大切であるということがわかるはずです。

そんな中でテクニカル分析というのはなかなか興味深いものがあります。これが必ず当たるというものではありませんが、基本的には人間心理の動きに根差した動きを評価するわけですから、時代が変化しても比較的普遍的に応用できる部分があります。現在もチャート分析でよく用いられる「酒田五法」という分析方法ですが、これは江戸時代の酒田(現在の山形県)の米相場師、本間宗久が考案したものです。現在の株式市場分析にも依然として使われています。

チャートは気象情報?

チャート

私はチャート分析の専門家ではありませんのであまり詳しくはないのですが、長年に亘って相場と向かい合ってきた経験から、何となく流れが変わったり、潮目が変化したりというタイミングはおぼろげながらわかることもあります。(もちろん理由など何もありませんし、必ずわかるということでもありません)そんな相場の転換点によくあらわれると言われる「明けの明星」(下がり続けてきた段階で寄り付きと引け値が同値になる)や三空(前日の引値と翌日の始値の価格に差が生じることが3日以上続く)が現れると相場の転換点になるといったことは振り返ってみるとその通りになっているケースもかなりあります。まあ言ってみれば気象情報における天気図のようなものと言えるかもしれません。これから前線の動きがどう動くかは過去のケースから読み取れる場合もあるからです。もちろん必ず当たるわけではありませんが、参考にする価値は十分あります。

チャートというのは知らない人から見るとややマニアックな部分があるため、とかく正当に評価されにくい部分があるのですが、株式投資をする人であれば、一通りの知識として持っていて損はないのではないかと思います。もちろん、原理主義に陥ってチャートが全てと思わないことはとても大切ですが(笑)複眼的な目で相場を見ることが大切と言えるのではないでしょうか?